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よくある勘違いMEL 2

MELはPOHのセクション6にある「Equipment list」のことだ
MELはFAR 91.205 のことだ

答え「どちらもうそ」

それらはここで必要な「MEL」ではない。
それではどこにあるのか?

MELが無くてもよい?

ナイスエアーの飛行機のどこを探しても出てこない。
そう。正しくは「ナイスエアーの機体にはMELはない」。
これが正解!

なんだって?そんなの反則じゃん!
反則ではなーい!よく読んでみよう。FAR 91.213(a)である。
「段落(d)に当てはまる場合を除いて、以下の条件を満たさない限り、何人たりとも不作動な装備品があるままでは離陸してはいけない。」
出だしの一番最初にちゃんと「段落(d)に当てはまる場合を除いて」と例外を示しているではないか。
段落(d)の条件に当てはまるなら、MELは必要でないってことだ。

そこで段落(d)を見てみると
「MEL無しでも、このパート(パート91)での運行であれば、不作動の装備があっても以下の航空機で離陸してもかまわない。」
以下の航空機とは
(i) マスターMELが作成されていない回転翼機、非タービン飛行機、グライダー、軽航空機etc...または
(ii)マスターMELが作成されていても、スモール回転翼機、スモール非タービン飛行機、グライダー、軽航空機etc...
である。

パート91の運行というのは、自家用の飛行、または事業でも、宣伝飛行、測量、写真撮影、遊覧飛行、交通渋滞調査、農薬散布、飛行訓練、回送などのことであり、「旅客、貨物の運送以外」の運行をさす。
人やものを運ぶという事業はパート91では出来ない。

ナイスエアーは飛行訓練を行っておりこれは「輸送」を目的としていないのでパート91の運行になる。
飛行機はC152やセミノールといった「非タービン飛行機(レシプロエンジン)」でしかも「スモール(12500lbまで)」の飛行機である。
そうするとマスターMELが作成されていようがいまいがMEL無しでもかまわないというこの段落(d)に当てはまる。
というわけでMELは無いし、それで問題も無い。
ただしたとえセスナ172でも貨物や旅客運送の使われるならばMELを持たなくてはいけない。

また続く      (01-29-2009)