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私のIFRトレーニング

訓練は楽しいものですね。ところが、飛行機に乗るのがいやになることがあります。私はIFRの訓練中にそういう状況に陥ったことがあります。楽しくないんです。そんな風に感じている人はいませんか?

学科テストもチンプンカンプン

自家用の学科試験が終わったころ、グラウンドうインストラクターの学科試験の準備を始めました。結構難しかったんですが解説を読めばわからないこともないので、どんどんやっていき、自家用の実技テストが終わってすぐに筆記試験を受けました。その後すぐに事業用の学科テストの問題集を購入。二日後には試験を済ませました。 学科試験なんかやればできるという自信がついたんですが、IFRの学科試験はぜんぜん進まない。がんばっても2,3ページやったらそれ以上できなくなる。精神的にだめなんです。決まりや用語は、しっかり意味を知らないとただ暗記というわけにはいきません。

結局、週末に催される学科試験短期集中コースに入り、二日間で講習を受けその晩試験に挑戦。80点でクリアーしました。

学科試験が終わってうれしいはずですが、開放感以外、達成感など感じませんでした。というのは、結局何もわかっていない自分を再認識したからです。二日間の講習は、パブロフの犬作戦。教官が軽く説明した後、学科試験の問題をOHPで映す。教官は、答えとキーワードを言ってくれる。それで数をこなすと問題を見ただけで反射的に答えがわかるようになる。すごい!これで学科試験にパスできるんですからビジネスとしては成立するんです。しかし何にも理解していませんでした。

今何をやってるんだろう?

飛行訓練も最初の姿勢飛行やVORトラッキングのうちはよかったけど、ADFやホールディングは理解不能。教官に言われるままにやってはいるものの、うまくできているのか、どうなればいいのかすらもわかっていない状態。そんなままアプローチに突入。もうただ一所懸命針を追いかけてるって感じ。アプローチを始める前にATCは「このアプローチの後、パブリシュドミスとアプローチをしろ」といってたのに、アプローチの後コンタクトすると別のベクターをくれる。パブリシュドミスとはどうなった?ほーるどしなくていいの?するの?どっち?そんなこともわからないまま、ただただ飛んでいる。

5Tsという言葉は知っていても、どこでどう使えばいいのかわからない。どこでどの周波数に変えればいいのか準備ができない。毎回アプローチはばらばら。こうなってくると、だんだん飛ぶのがいやになってくる。昨日と同じような結果しか出ないし、明日もきっとこんな感じ。プライベートやってるときは楽しかったなあ。

反省

今から思えばいろいろあるが、第一に「座学をちゃんと受けるべきだった」。私はIFRの座学を受けていない。教科書はFAAのハンドブックのみ。肝心なところが書いてない。アプローチなんかえらく簡単そうに書いてあるが、役に立たない。やはりしっかり座学を受けて、

位のことはしっかり理解して、充分にイメージトレーニングをしてから飛行に臨めば、少しずつでも達成感はあっただろうし、そうすると楽しく感じるはずだ。 私は今自分がどの段階にいるのかもわかっていなかったし、これから先どれだけの訓練が待っているかもわかっていなかった。ただ長い、先の見えないトンネルをガイドもなしにさまよっているような気分。ホールディングの意味や、指示がどう出るのかも知らない。

最初の試験は、離陸後5分で終了。ATCが「サリナスまでダイレクトで行け」と言った後で、他機がいるから回避のためへディングをくれた。なのに途中で「確かさっきはダイレクトでサリナスと言ってたよな」と思い、サリナスに向かいなおした。そんなこともわかっていなかった。

かろうじて二回目で試験は通ったものの一人でIFRなんて怖くてできません。計器飛行教官を取るときに「これではいけない」と思い立ち、教科書を買い、読み直し、ほかの教官に聞き少しずつ理解していった。それでようやくわかりだした。わかると簡単だ。何でもっと解ろうとしなかったんだろう。

もし飛行がつまらなく感じているのであれば、本当にわかって飛んでるか考えてください。せっかくのフライト、楽しまなきゃ損。飛行機を嫌いにならないためにも。

06-16-2010