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よくある勘違い

Minimum Equipment List ミニマムイクイップメントリスト(MEL)とは「最低限必要な装備品のリスト」である。

うそか本当か?

答え「うそである」

実際には正反対で「不作動でもかまわない装備品のリスト」である。 小さな飛行機ならともかく、大きな飛行機になると装備品の数も膨大である。 その中で不作動でもよいものがどれだけあるか。ほとんどのものは不作動ではいけない。 ほんのわずかなものだけが不作動でもよい。飛行前の点検で、不作動の装備を発見したときに、飛行可能か不可能かを調べるときに大量の不作動ではいけないもののリストと照合するか、少数の、不作動でもよいもののリストと照合するかどちらが簡単だろう? もちろん後者である。 つまり、飛行前の点検で不作動の装備品を見つけたら、まずMELを見る。もしその装備をMELで発見したら飛行可能である。 MELの中になければ、修理しない限り飛行はできない。

MELはどうやって作る?

まずFAAから、あなたの飛行機の機種に共通な「マスターミニマムイクイップメントリスト(MMEL)」をもらう。 これは機種毎に作られているものだが、あなたの飛行機固有のオプショナル装備は含まれていない。 これにオプショナル装備を書き加え、FAAの承認されれば個々の機体のMELができる。 ウェイトアンドバランスデータ同様、10機ボーイング747を持っていたとしたら一機一機それぞれ別のMELを持つことになる。

MELはどこに?

例えば、あなたが飛行前ににセスナ172の点検をしているとしよう。マスタースイッチをオンにしたのに何の音もしない。 ターンコーディネーターが動いていない。さあどうする? FAR を見るとpart91.213が「不作動の計器、装備」について書いてある。91.213(a)には「不作動の計器、装備がある場合は、以下の条件を満たさない限り,何人たりとも離陸してはいけないことになっている。その条件とは

  1. MELがある

  2. FAA事務所から「Letter of authorization」をもらって機内に積む

の二つだ。 ところが、探してみてもどこにもMELが見つからない。どうしたことだろう?

続く     (01-23-2009)